TsubasaShinya.Tokyo~鍼灸を身近に感じるメディア~

鍼灸師目線で世の中のことを見ていくメディアです。経営のことや組織論などのカタい話から「やってみた」「いってみた」や「美人すぎる鍼灸師」などの情報を好き勝手にお届けしていきます。

【保存版】鍼灸院就活のススメ~鍼灸院就職のための履歴書・面接攻略法~【後編】

前回書いたこの記事

の続編です。

 

鍼灸業界のことを知り、理想の院をみつけました。

その次は・・・

書類と面接ですね。鍼灸院就職を目指す皆さんにとってはそこが最大の難関じゃないでしょうか。

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履歴書作成

 

鍼灸院によってはエントリーシートがあることもありますが、だいたいは履歴書です。

弊院にも毎月数名から履歴書が届きますが、ここでの印象が全てと言っても過言ではありません。

事実、履歴書での印象を面接で覆されたことは今までありません。

 

あとこれは鍼灸業界全般に言えることですが、社会常識やマナーのない方が非常に多いです。大学のようなきっちりとした就活指導もなければ、社会人として働いて教わる機会もない鍼灸師。

ビックリするような履歴書が届くことも多々。内容うんぬんというより「これで大丈夫かな?」と相談して確認してくれる人すら、この子の周りにはいないのか・・・?ということにただならぬ心配感を覚え、普通なら業務的に対応するだけのところで赤ペン先生的なお返事を書いたこともあります。

なので逆を言えば、若いながらにそこをしっかりしているというだけで自然と評価が上がりやすいのも特徴です。

 

さて、履歴書をつくる前に考えて欲しい事があります。

それは院側の求めている人材とはどのような人物かということです。

求職者側の理想と院側の求めている人材のズレ。

実はこれが前回触れた落とし穴の正体です。

院側の理想の人材

これは院のスタイルによっても様々ではありますが、実は共通するところがあります。

弊院が学生向けの就職イベントを行った時に全国の有名鍼灸院の数院に伺ったこともあるんですが、どこも同じポイントがありました。

それは・・・

  • 素直であること
  • 鍼灸が好きなこと
  • 積極的であること
  • 協調性があること
  • 自院に対して明確な志望理由があること

というようなことです。最も多かったのは「素直」という部分でした。

 

素直が大事な理由

それぞれの院にはカラーがあり、それこそ絵具のように調和を保つことで絶妙な色を出しています。なので出来れば無色で染まってくれる素材を求めており、まったく違う色が入ってきて全体に影響を及ぼしてしまうのを危惧します。

最大の罠、協調性

自分をアピールする為の履歴書。どうしても無意識に自己中になってしまいがちなんです。

ここで会社にとっての自分を雇うメリットを連想させる内容や周囲に好影響を与える要素がさり気なくアピールできるかどうかが重要です。

意外な落とし穴の志望理由

ここで当たり障りのないことを書くのだけは絶対にNGです。他でもできることを指して、例えば「美容鍼がやりたくて御社を志望しました」では響かないどころか正直なところ「では他所へどうぞ」です。

その院でなければならない理由。その院にしかないものはなにか。それは人や理念です。

その人への感情や理念への具体的な共感を伝えましょう。

 

まとめると・・・

  • 自分はその院のどんなところにどんな想いを抱いて志望したか
  • 自分はその院にどのような貢献ができるか
  • どれだけ素直で柔軟に物事に取り組めるか

ということを伝えられるように構成を考えてみましょう。

 

あと絶対にNGなワードは

「御社で学びたい」です。

これ一見良さそうに聞こえて使いがちなんですが、よくよく考えてみると雇う側には1ミリもメリットがない利己的な主張なんですよね。

学びたいなら学校に行くべきで、働くというのは会社への貢献の対価に賃金をもらうことです。

鍼灸師の方の価値観は

鍼灸師の価値=鍼灸の技術

それでしか測れないという風潮がありますが、それ以外の部分で貢献できることなんていくらでもありますし、技術はあとから結果としてついてくるものなのです。

新卒であろうが中途であろうが、組織に貢献する人物を採用したいものです。

独立したいです

というワードもデリケートです。「〇年後に独立したいです」というのも雇用側からすれば知ったこっちゃありません。院の方針にもよりますが、明確な目標とそれを達成するプロセスまで提示できない場合は言わない方が無難かもしれません。

履歴書を書くときのポイント

これはもうシンプルにして最重要。

ていねいであること

これに尽きます。字が上手くなくてもいい。(もちろん上手い方が印象はいいですが)

しっかり丁寧に書いているかどうかはとても重要です。

サラサラ書いたような感じや殴り書きした感じって、何枚も履歴書を見ていると驚くほどすぐにわかります。人間性がでるなあ~といつも思います。

考えて、しっかりと書いたんだなと伝わる字を書くようにこころがけましょう。

内容は上記で挙げた通りです。付け加えるとすれば・・・

・履歴書とは別に挨拶状を同封すること

・履歴書のフォーマットとは別紙で志望動機やなりたい鍼灸師像を伝える

そういう礼儀や想いが出るひと工夫は必ず相手に伝わります。

履歴書を開封する人のことを想いながらいろいろ考えてみましょう。

「こうでなくてはならない」というのは意外にあまりありません。

自分の想いを十分に余すことなく伝えるラブレターだと思って書きましょう。

 

面接

 

書類選考の後は面接です。面接時に同時に履歴書を持って行くパターンも多いですが、やることや意味合いは同じです。

履歴書の内容に沿って面接は進みます。日時を確認して5~10分前に面接会場へ行きましょう。

面接時の服装

指定のない場合はリクルートスーツまたはそれに準ずる服装で行きましょう。

髪型やメイクも清潔感のあるスタイルでいきましょう。ノーメイクやマスクをつけていくのはNGです。においや見た目にも気を配りましょう。

気を付けること

挨拶、受け答えは元気よくしましょう。「緊張するんです」との声をよく聞きますが、緊張しているのは面接官もよくわかっています。「緊張しててはいけない」と思わないようにしましょう。

教科書通りの回答ではなく、しっかり自分の意見や考えを述べましょう。

何社も受けてもいいの?

基本的に就活なので複数を受けることもあるかと思いますが、時期をずらすなどして選考中は「その院だけを志望しています(第一志望です)」という状況の方が熱意は伝わりますし自分の気持ちも整理しやすいと思います。

他社を受けていても構いませんが、面接時はその院へ志望する熱意が重要です。

 

また、対人サービスをする職業なので「感じ」がいいとか笑顔が素敵というのも印象としては重要視されます。

笑顔の練習をしておきましょう!

 

また、面接の後に面接の機会を作ってくれたこと、時間をとってくれたことに対するお礼状などを送るとさらに丁寧な印象を与えます。ぜひやってみてください。

 

さいごに・・・

 

ここまで鍼灸院の就活についてそれぞれの対策や心構えを書いてきましたがいかがでしたでしょうか?

内容は当たり前ですが、人と人との付き合いがベースになっていますので就活にとどまらず人と向き合う時に大事にしていただきたいことばかりです。

 

就職は決してゴールではありません。開業もまた、ゴールではありません。

あくまで幸せになる為の通過点です。

自分の幸せは結局のところ自分の周りの人達の幸せに左右されます。

周りの為にできることを考えていれば、自然と自分の為になっていくものです。

 

鍼灸師としての「憧れの存在」はいますか?

自分を引き上げてくれるような、常にモチベーションとなるような。

そういう人と一緒に働くという価値観も、この業界にはもっと広がっていいのではないかなと思います。

学校や業団も、そういう存在を取り上げたりフィーチャーしたりすることにもっと力を入れて取り組んでいただきたいものです。

鍼灸師や鍼灸師の卵たちが、活躍している鍼灸師の存在を知らなすぎる。

憧れや目標がなければ夢は描けないものです。

また、そういう象徴となるような存在が現れて業界内からもっと正当な注目を浴びれば、業界外からの注目のされ方ももっと変わってくると思います。

 

まとまりがなくなって来ましたが・・・

就活生のみなさんは是非生涯を通しての大きな目標を描いて、そこに向かって良い鍼灸師人生のスタートを切る為にやれることはやっていきましょうね(^^)

素敵な就職先に巡り合えることを願っています!!