昨日は福岡は博多から鍼灸師の平井先生がお越しくださった。
通称「ゴッド平井」と呼んでいる。
この平井先生。なかなかに謎である。
鍼灸師なのに鍼を使う姿をあまり見ないのだ。
そして鍼灸師なのにも関わらずなぜか歯科医向けの雑誌に取材を受けたり最近は歯科医に向けてセミナーを開いたりしている。
馬術や古武術にも精通。
そして現在も予備自衛官でもある謎経歴。
治療法はどこでもお目にかかったことのない手技のオンパレードで、理論も独特過ぎて初見ではなかなか理解不能だ。
「地球の自転で捻れる」
「授乳期からの問題」
「頸椎が150回転してる」
etc...
僕も最近でこそ意味がわかるようになってきたが、最初は「何言ってんだこの人」のオンパレードだった。エビデンスもへったくれもない。(ないわけではないんだけど)
ただ、ひとつだけ言えることは「めちゃくちゃ結果が出る」ということだ。悔しいことに。笑
否定や批判をするのは簡単。
僕はこの深海のような謎理論を素直に受け入れるべく、これまで先生といろんな話をしてきた。
その中でわかったことを端的に表現するならば
平井先生は「エンジニア」なのだ。
解剖学や生理学にはもちろん詳しいが、その常識にとらわれることなく身体に起こる「現象」について構造からの発想でアプローチしていく。
メカニック。いわば身体の整備士だ。
そこには武術や整備、機械の機構や動植物などの生態なんかの知識がごちゃ混ぜに盛り込まれている。
「こんなやり方カイロの先生に怒られるんだよね~」と言いながらアクティベーター連打したりなんの前触れもなくアジャストしたりぐるんぐるん回されたり関節技極められたり。
「HUNTER×HUNTERは治療に良いこと書いてある」とかも言っちゃう。
ここまで書いていて、ただの怪しいひと感が否めない。
まあ、紛れもなくただの怪しいひとなので仕方ない。
そんな平井先生が近頃たどり着いたのは
「舌はがし」という理論。
舌は上顎についているのが正しい、というのは口腔内のことに敏感な方は知っているかもしれない。
平井先生が言うには、舌が上顎についているというよりは
「舌が上顎を押し上げている」状態こそが正常だと言い、それが身体の捻れを抑制する要になるんだと。
で、多くの方は授乳期にこの正しい舌の使い方が修得できずに下顎に舌がついたり舌根が凝り固まって癒着したり、歯を押して歯並びを悪くしたりする。
身体に直接アプローチして捻れを取るんだけども、舌の問題があるとダメなんだって。
んで、その気になる施術方法はというと…
そう、口ん中に指突っ込んで舌根や口腔内の組織に直接アプローチするのだ。
正気の沙汰じゃない。
どこまでも鍼使わないのかよ。
まあでも、スッキリするのだ。
んで、ホームセンターなどで入手してきた秘密グッズを次々取りだし、舌のトレーニングさせたり。
「こんなことやってたら歯医者にクレーム言われるかなあと思ってたんだけどね」
と笑いながら、気付けば歯科医からセミナー開催のオファーが続々と。
泣こうが喚こうがやめない平井先生のその治療スタイルから「スパルタ鍼灸院」という屋号。どうかしている。
しかしどういう訳か、もともと平井先生の独特な治療のファンが全国にいて、最近はそのセミナーも相まって月の半分くらいは各地を行脚しているんだとか。
まったくもって謎である。
治療効果がすごいのもまた、腹が立つ。笑
歳もだいぶ離れているのに、年に数度来ては遊んでくれる。
新屋の尊敬する「友人」平井幸祐先生の治療は、治療家であってもなくても是非一度体験してみてほしい。意味不明なので。