悲しいニュース。
演技はもちろんのこと、いろんな面から垣間見えるその人柄が人気だった名俳優の大杉漣さん。
演じる役の幅の広さから「300の顔を持つ男」という異名がついたほど。
ランチの女王の1話と最終話に出てたのがなんか印象的だなあ。
あと漂流教室。最近ではシンゴジラ。
また、熱狂的なサッカー好きでもあり、ファンであった徳島ヴォルティスのゴール裏にも度々足を運んでいたという。
66歳。惜しい人物を亡くしたなあ。
亡くなった理由はというと「急性心不全」とのこと。
まあこれだけだと「いきなり心臓が止まっちゃったよ」程度の事しかわからないわけで。病名というよりは病態だ。
なにが原因となって心臓の機能障害に至ったのか、そんなことが気になった。
心不全の原因として考えられることはあらゆる心疾患であり、急性心筋梗塞・狭心症・弁膜症・心筋症・心筋炎などの心臓の疾患に由来するものと、高血圧や大動脈解離や血栓など、心臓以外の原因による虚血性心疾患の線もある。
糖尿病や高コレステロール血症、高脂血症、はたまたウイルス感染やストレスによるものの可能性まであり、原因となることは非常に多岐に渡る。
病院搬送の前に腹痛を訴えていたそうなので、虚血性心疾患による突然死なのかなあ。
この場合、状態によっては安静時か労作時かに問わず突然意識を失って1分以内に命を落とすこともあり、救急搬送しても極めて蘇生が困難だそう。
2011年に練習中に突然死した元日本代表の松田直樹選手も急性心筋梗塞だった。
2003年のコンフェデ杯の準決勝の試合後半にピッチ上で心臓発作で亡くなったカメルーン代表のフォエ選手も、28歳という若さだった。
いずれも持病としての心疾患の自覚はなく、メディカルチェックをパスしているのにだ。
つまり、年齢関係なく誰にでも起こる可能性があるこうした心疾患による突然死。
寒暖差や飲酒、脱水や循環不良なども誘因になり得るし、とりわけ血管系への負担はなるべく改善しておくに限る。脳梗塞とかにも同様のことが言える。
予防するためには高血圧や高コレステロール、高脂血症などを引き起こす食生活と運動習慣については日頃から気を付けておくべきだし、冷えやむくみなどの血液・リンパ液の循環は良いに越したことはない。
鍼灸がベストだ!とは言わないけど、習慣的に体質や循環改善の治療をしておくのは非常に良いことだと思う。
自分にあったメンテナンスを、30歳以上の人はやんなきゃなと。自戒をこめて。
また、これらの急性心不全に出くわした場合も近くにAEDがあって使えていたならもしかしたら結果は少し変わっていたかもしれない。
AEDは状態を見ながら自動で判断するので、適切に動作してくれる。たとえ原因がよくわからなくても意識が無く呼吸もしていない場合はとりあえずつけて起動してみたらいいと思う。もし致死性の不整脈による失神などであれば、救えるかもしれない。
とりわけ脳と心臓は時間との勝負なので、日頃からこうした判断がすぐにできるようAEDのある場所を常に把握しておいたり使い方を学んでおいたり、意識を失った人に対する処置や初期対応などを頭にいれておくということはそれだけで緊急時の誰かを救う可能性を大幅に上げる。
ここまでの致命的な場面というのは生きていてもそうそう出くわさないが、だからこそ重要。
特に医療従事者の鍼灸師ならば、重傷者の基本的な応急処置や一次救命の基礎くらいは頭に入れておいた方がいいんじゃないかな。
身近な人の「いざという時」を救える存在であって欲しいと思う。
ああ。「ランチの女王」久しぶりに見たいなあ。