挑発的なタイトルでこんにちは。
常にユーザー視点からSNSを見る僕ですが、鍼灸院や接骨院のSNSアカウントって
壊滅的におもしろくないんすよね。
まあこれはインスタやツイッターだけに限らずブログとかにもいえることなんだけど。
今日はそのあたりを踏まえてのお話し。
企業アカウントはなぜつまらないのか
名だたる企業でも苦戦する事のあるSNS。特にTwitterとinstagramに関してははっきりと明暗が分かれているように思う。
その暗の側の企業に多いのは、よくFacebookとTwitterとinstagramを全て連携して投稿しているということ。
そもそも特徴やユーザーの指向や行動の違う各SNSの運用が同じでいいわけがない。
大前提として
SNSは自分に合うように世界をカスタマイズすることだと言える。
そしてそのカスタマイズされる情報がSNSによって違うのだ。
Twitterだと自分と主義主張や趣味の似ている人でTLを埋めたいし、
インスタだと自分の好きな写真や好きな人の投稿でTLを埋めたいし、
FBは実名で実生活のイメージにも多々影響があるので公的なことに寄りがち。
逆に言えば、それに沿ってないものは大きなノイズになる。
酢豚のパイナップルみたいな。(いや別にオレはいいんだけど)
あとTwitterはTLの流れが早いので比較的寛容だが、インスタに関してはそこまで流れも早くないために投稿内容が「その人の好きなもの」でないと非常に不快なノイズになってしまうのだ。
そういう意味ではTwitterよりインスタはフォローのハードルが高く、リムーブのリスクが高いメディアであると言える。
最近実装された「ハッシュタグをフォローする」という機能により、フォローのハードルはさらに高まると予想される。
ユーザー的にはより気軽に「好きな情報」を集めやすくなっていくのだ。
で、なぜ企業アカウントがつまらないかというと
このプル型のメディアに対し未だにプッシュ型のアプローチをしているから。
(プル型というのは、検索みたいに自分が欲しい情報を欲しい時に取りに行くことで、プッシュ型はTVCMのように見たくなくても見せられる物のこと)
欲しくもないものを欲しくない時に家にやってきてセールスされるウザさ。
まさにお前だれやねんです。
これがつまらない企業や店舗アカウントの最大の理由。
逆に面白いアカウントは、役立つ旬な情報やオシャレな世界観で自社やプロダクトへのこだわりや、CM等では言及できない裏側などについてを発信していたり、公式とは思えないような「中の人」のユーモア溢れる投稿が人気となっている傾向。
さあ、予約状況などを投稿している場合じゃない!こだわりの押し売りだ!!
予約状況配信はLINE@でやればいい。
でも投稿することがない…
投稿する事がなければとりあえず自分の想いと、どんな人に向けてサービスを提供したいと思って始めたのかをひたすら突き詰めて書くところから始めたらいい。
その次は自店のこだわりポイントとその理由を毎日ひとつずつ解説。
んで得意なこと好きなことも毎日ひとつずつ。
たまにお客様とのエピソードなどを経験談と交えつつ。
たまにはプライベートな「自分は何に喜ぶ人間なのか」なんてことも書いたり。
診療中にはなかなか話さないような昔話をしてみたり。
そんな投稿のひとつひとつの合間に、役に立つ情報や伝えたい情報を丁寧に挟んでいく。
「鍼のよさ」「灸のよさ」「日常に潜むリスク」「健康とは」
よくわかる。よくわかるけれども、そればっかりじゃ「自分にはあまり関係ない話」とスルーされちゃう。
美容師さんのアカウントみたいに「カタログ」としてインスタを使うのはそれはそれでありだけど、美容院ほど浸透していない鍼灸の施術風景を「カタログ」化するのは並大抵のセンスでは難しいと思う。
なので、基本的には鍼灸院のアカウントはまず
- 既存患者さんに身近に感じてもらう
- 地域の人に親しみを持ってもらう
- どんな人間がやっているのか知ってもらう
- 同業の人たちと交流する
- どんな人が来ているのか知ってもらう
ということの発信に徹するのがいいのかなと個人的には思う。
とはいえ、拡散性のないクローズドなメディアであるinstagramは、ただ投稿しているだけではだれにも届かない。
ハッシュタグとロケーション検索を制する者はインスタ集客を制する
どんなSNSでも最初はフォロワーがいないもの。
フォロワー数=権威性
と考えられやすい(実際違うけど)この世界ではやはりフォロワー数は重要。
フォロワー数が多いだけでなぜか発言に信憑性が出るし、10代の若者に「いま欲しいものはなに?」と聞けばお金でも物でもなく「フォロワー」と答えるというのだからもう時代はそうなってる。
フォロワーを買うのも選択肢としてはアリだと思うが、反応してくれない外人のわけのわからないフォロワーがいくらいてもそれは本末転倒といえる。
「革ファンおじさん」もインスタを始めたとのことだが、どうかフォロワーが増えなくても折れずに頑張っていただきたい。
まずやるべきことは、自分やそのアカウントがどんなものかの名刺代わりの自己紹介的投稿。
といってもただ自己紹介しててもキモいので
- 好きなもの
- やってること
- 投稿していく予定のコンテンツ内容
なんかを世界観を統一してまず「ウォール」をつくっておく。ウォールというのはインスタにおける「自分のタイムライン」のことで、プロフィール画面にタイル状に表示されるアレである。
この世界観の統一というのが結構重要で、ぱっと見で「好きじゃない」と思われたらもうダメなのだ。
第一印象勝負。
仕込みができたら次はフォロワーになってくれる人を探す。
なぜフォロワーが増えないのか
最近でこそインスタにも「フォローしている人がいいねした投稿」というのが流れてくるようになったが、基本的には「自分がフォローしている人」の投稿しかTLに表示されないのが特徴。
TwitterのRTやFBのシェアにあたる機能もなければ(一応リポストというのはある)フォローしている人が反応した他人の投稿などはほぼ目につかない仕様になっている。
ユーザーの「好きな世界」をつくるための配慮だ。
逆にいえば、新規参入してきたアカウントが日の目を見ることはないのだ。
そんな殺生な。。。
と思うがこれも世の常。早くアカウントを開設し、唯一無二の存在になれなかった自分を恨むしかない。
殺伐としたインスタ界隈は甘くはないのだ。
冗談はさておき、どのような仕組みで自分のアカウントが他人に見つけてもらえるのかについて解説。
ハッシュタグ
インスタの最大の特徴。
一応Twitterにもハッシュタグはあるが、使用方法がずいぶん違う印象。
ツイッターではハッシュタグは1~2個付けが一般的で、インスタは11個が最も反応がいいのだとか。
インスタにおけるハッシュタグは「引き出し」のようなもので、自分の欲しい情報が入った箱だ。
ハッシュタグで検索すると、2種類の情報が出てくる。
ひとつは
そのハッシュタグのついた投稿の最近の人気投稿
もうひとつは
そのハッシュタグのついた最新の投稿
人気投稿に入れば数日~数週間に渡り上位に表示され続けるので、自然とそのキーワードに関心がある人の露出が増える。
が、これはけっこう厳しい。ニッチなキーワードならいけるけど。
開設したばかりのアカウントは、まずユーザーがアクティブな時間帯に「最新の投稿」に表示されるのを狙って投稿していくのが吉。
とはいえいきなり最新投稿からコンバージョンしてフォロワー増やすのはかなり難易度が高いので、まずは自分からアプローチ。
いまのトレンドでいえば、
#FNS歌謡祭 で検索すれば直近でFNS歌謡祭について投稿している人を知ることができるし、
#神戸ルミナリエ で検索すれば今年のイルミネーションの様子や混雑状況、穴場情報なんかも手に入るかもしれない。
そういう使い方もあれば、
#写真好きな人と繋がりたい といったように自分と共通の趣味を持つ人とのつながりを求めている人を探すこともできる。
また、意味のない使い方をするのもまた味わいがあっていい。(これはただの僕の好み)
共通点を見つけ出すための合言葉がハッシュタグといえる。
そうして、自分のアカウントに共感してくれそうな人や、自分の好きなアカウントを探して積極的にいいね!やコメントやフォローをして、地道にコミュニティを作っていく。
ここで注意したいのが、
自分のアカウントにいいね!やフォローしてくれた人に対して
「いいねありがとうございます!」「フォローありがとうございます!」ということを伝えたい気持ちはわからなくもないが、ウザいのでやめといた方がいいということ。
インスタにおいては、
- いいねしてもらえて嬉しかった⇒いいねし返すorフォローするor投稿内容に沿ったコメントをする
- フォローしてもらえて嬉しかった⇒いいねし返すorフォローバックするor投稿内容に沿ったコメントをする
これだけで十分。
投稿と関係ない内容で
「フォローありがとうございます♡」とたまにコメントくるけど、芸能人でもない限り嬉しくない。
ややもすれば「私はフォローバックもいいねもし返さないけど、『フォローどうもね』と周りに伝わるようにコメントしてあげる」というマウンティング行為にも見られかねない。
フォローやいいねしてくれたアカウントが気になるアカウントだったらフォローバックするなりいいねやコメントして表現するのが流儀。気にならなかったら仕方ない。
ロケーション検索
次に、店舗アカウントの生命線であるこのロケーション検索。
いくらフォロワーが増えても、実際に来店に繋がらなきゃ意味がないというのが店舗アカウントの本音。
大企業とは違い、我々はこの広大なネットの世界で身近にいる人にピンポイントに届けなくてはならない。
「見込み顧客」と言われる人たちにどうしたら届くのか。
実はハッシュタグでも見込み顧客に自分のアカウントの存在を知ってもらうことはできる。(まずペルソナ設定が重要だけど今回は割愛)
ロケーション検索でも同様。
たとえば自店と同じ客層がよく利用してそうな店のハッシュタグまたは位置情報を検索。
すると先ほどと同様に人気投稿と最新投稿が出てくる。
人気投稿に上がっている人に目がいきがちだが、それは本当に正しいのか?
例えるならクラスの男子から絶大な人気を誇り取り巻きも多くお高くとまってる女に、人気のないオタクが話しかけても相手にしてもらえないだろう。
この状況はまさにそれと同じで(ひどいいいがかりだな)注目すべきは最新投稿。
上げたばかりの気合が入った投稿にこそ、反応してあげたいというのが人情ってもの。
最新投稿の中から熱意のこもったものにいいね!や気の利いたコメントであなたの想いを伝えましょう。
そうすれば自然と両想いになる確率も高まるはず。
自店の商圏内や類似ユーザーのつけそうなハッシュタグやロケーションのタグをたどって見込み顧客に存在を気付いてもらいましょう!
有名人のフォロワー
これはオマケだけど、「見込み顧客のフォローしてそうな有名人やアカウント」のフォロワーにアプローチするのもひとつの手。
たとえばローカルタレントで人気のある人とかは理想的で、エリアも客層もマッチしやすい。
あとは地域の有名店のアカウントなども同属性のユーザーが多い可能性が高い。
アプローチする際に共通して重要なのは、
・ウザくないこと(売り込みはNG)
・見込み顧客が「フォローしたい」と思えるアカウントになっていること
本当に、心からの共感やいいね!を伝えたい人に伝えるのが大事。
そして自分のアカウントが、その人にとってフォローするに値するアカウントかを常に精査することが大事。
あとは実店舗で「フォトジェニック」を意識した仕掛けや、「どうすれば投稿したくなるか」の心理を読み解き、たくさんの顧客に広報部長になってもらえるかどうかというところ。自前の投稿ばっかりじゃあれなので。
とまあここまでいろいろ言っててうまく運用できてなかったらダサいので、一応。
2院合計8413フォロワー。(2017.12/14現在)
三重の院は1年半、栄はちょうど1年ほどの運用期間。
世間一般で見たらもう全然まだまだなアカウントですが、鍼灸業界に限って言えばぼちぼち育ってきてるアカウントなんじゃないでしょうか。
ありがたいことに毎月インスタ経由で数名~数十名の来院も。
ご覧いただければわかる通り、本当に大した内容は投稿してません。笑
でもスタッフの空気感や人柄などは伝わっているのかなと。
たくさんの人に自分の存在や考えや人柄を知ってもらって、興味を持ってもらえて、なおかつタダ。こりゃ患者さんの為にもやらない手はないよね。
コンサルになるつもりはさらさらないけど、相談はいつでもお気軽に!