前回の真面目編に引き続き。
今度は5日間の中国での体験を写真を中心に振り返ってみようと思う。
写真の整理とアップロードだけで既に大変でもうけっこう嫌だ。
着くや否や一番感じたことはやはり空気の悪さ。天気は悪くないのに薄曇りといった感じ。ガイドさんに聞くと黄砂だそうだ。PM2.5もだけど。
大気汚染に関してはここ1-2年で急速に改善に向かっているそうで、今は随分マシになったと言っていた。
それでも、天津市内の人たちはマスクなど着けている人はいなかった。
かわりにみかんのネットみたいなのを顔面に被っている人は結構いた。(写真ないのが悔やまれる)
あれ絶対意味ないよね?と通訳の若い学生に聞いたら、笑いながら「絶対ない」と答えた。
天津というと大量の自転車が走っているというイメージだったが、急速に進む近代化の影響で車だらけだった。
日本車もたくさん見かけた。
中国車の倍ほどの値段だけど、月に一回修理しなきゃいけない中国車を嫌って買う人が結構いるとのこと。
高級車もたくさん走っていたけど、黄砂ですごい汚くて全然高級車に見えない不思議。
でも北京では車は結構綺麗だったので、単に乗る人の意識の違いなのかも。
平均的な月収は8万円程だそう。物価は半分~三分の一といったところ。
しかし土地はほぼ国有地なので、地価は超高いそうな。
初日に行った推拿名人の推拿研修。メニュー表見てたら、一番高いのが「骨盤矯正」的なやつ。480元。1元17円くらいだから、8000円くらい。
よく受けられるメニューでも170元。3000円くらい。向こうでは決して安くない。
それでも三代続く予約が取れない人気店なのだそうで。
この日も店内にはたくさん患者がいた。けど、後で聞いたら研修の為に店を閉めていたのに急性の患者がたくさん駆け込んできて、全部受け入れてたらいつもと変わらない感じになっちゃったそうな。
春の漢方菊茶も振舞ってくれた。
独特だけど美味しかった。
食べ物から振り返る中国
5日間の滞在。
まず口にしたのは機内食。
これ行きの。チキンorフィッシュ。これはチキン。なんとなく怖くてこの時はフルーツ食べず。まだ本当の意味でチキンな新屋だ。
これは帰りのチキン。ごはんあるのにパンもて。この頃には生野菜も、訳のわからないヨーグルトもいっちゃう。脱チキンの新屋。5日での成長ぶりをまずはお披露目。
中国夕食事情
初日の夜は天津で有名な包子=肉まんの名店「狗不理大酒店」へ。
千と千尋の神隠しを思い出させるような店内。
メインの肉まん。日本ではない感じの味つけだけど美味しかったなあ。
岡部が「551の方がうまくない?」とか隣でボソッと言ってきました
他の料理もどれも日本人の口に合う感じで美味しかった。が。
ここで問題が発覚する。
中国料理は写真に撮りづらい!!
そうなのだ。回転する円卓で、一品ずつどんどん運ばれてくる。そして前に置かれた料理を自分の分取っていく。素早く。じゃないとみんなに円滑に行き渡らないから。
一皿ずつしか写真に撮れず、全体像は机でかくて撮れないし、全部の皿に料理がきれいに残っていることなど皆無。
だから後で撮った写真を見返しても美味しそう感が一切伝わらない。
さっきの肉まんの写真だってみんなが取った後に3つしか残ってないのをなんとか寄りで撮ってそれっぽくしただけの苦肉の策…!
実に映えないのだ。たくさんの品目を適量取れて合理的ではあるけど。
2日目の夕食は、天津の有名高級中華「津味典蔵」
わかりやすいゴージャス感。「中国人こういうの好きだな」というわかりやすい絢爛さ。内装もドギツかったけど、好みじゃなさ過ぎて写真撮るのすら忘れていた。
人気店ということもあり、非常に美味でした。八角とか花山椒とか、こちらではあまりない味付けもなかなか好きで。
ビールはすっきりとしたのが多かった。
そして高級店だからなのか、オリジナルビールがどこの店もあった。
3日目の夜は薬膳名人による豪華薬膳料理。また高級そうな店で。
この日は張先生の師匠であり、天津中医薬大学のナンバー2である韓先生も同席してのディナー。
天津中医薬大学のエントランスの壁にでかでかと掲示されている病院歴代のトップ陣。
左上二番目にいるのがこの韓先生。
鍼灸において中国ナンバー1の中医大学の鍼灸の長。
言ってしまえばある種世界一の鍼灸師とも言えよう。
まさかそんな凄まじい大人物と食卓を囲む日がこようとは。
そんな会で誰も隣に座ってくれない宮崎先生。完全にハブられている。3日の間に何があったのか。
全日通して思ったけど、やはりお茶が美味しい。たまに色うっす!とか思ってもしっかり美味しいのですごい。
繊細で品よく深い味わいの薬膳料理。
薬膳と聞くともっとクセのある感じなのかなと思っていたけど、とても美味しかった。
薬酒。真ん中の背の高い瓶に入っているのはなんと「鹿の陰茎」のお酒。漢方としても希少で高価だそうな。
紹興酒で割った薬酒。体があったまる。養命酒的な。
そこへ怪しげな小瓶を持って張先生が登場。
「この鹿のアレの薬酒をそこに1滴入れるダケで、もうスゴいことなるカラ…」
と言いながら1滴どころか結構入れられた。
翌日、新屋がスゴいことになってしまうのはまだ誰も知らない…。
中国に来てからもう丸2日しゃっくりが止まっていないと急に訴える鍼灸師の黒川先生に、突如治療をしてくれることに。
たまたま誰かが持っていた鍼もあり「名人の鍼が見れるのか・・・!?」と皆注目していたら。
いそいそと机を物色し始める韓先生。
スプーンを手に取り、いきなり口の中の舌根部に押し込む。
当然激しくえづく黒川先生。
構わず続ける韓先生。
そして・・・
なぜか志村けんのコント動画を見せてゲラゲラ笑いだす韓先生。
クールな黒川先生は戸惑いながらニヤニヤしている。
なにこのシュールな光景。
ともかく、しゃっくりは無事止まった。
不思議な体験。笑
4日目の夕食は北京に移動して大董北京烤鴨という高級北京ダックの店に。
まず北京の都市規模にビビる。
都心の大動脈のメインストリートは道幅50メートル、長さはずーっと直線で45kmにも及ぶという。
これとんでもないすよ。
大阪で言えば御堂筋が45km続く以上にすごいことで。
45kmっていえば東京から鎌倉とかまでなわけ。
それを一直線に結び、しかも沿線ずっと都会。
あの圧倒的な感じに、日本はとっくに追い抜かれているんだと実感した。
話を戻す。聞くところによると、普通にきたら35,000円くらいになるという噂のこの店。恐ろしい。
今回行ったお店の中で最も都会的。トイレは安心のTOTO製だった。
既に馴染んできた八角味の豚肉のやつ。うまいやつ。
ボーイがやってくるなり「雪を降らせます」とかいって華麗に粉糖を振りかける。オシャレかよ。そして予想通り甘い。粉糖かかってないほうがうまかったぞボーイよ。
鳥の巣に見立てた料理。
ちなみに箸置きは陶器製の親子のアヒル。こちらを見ている。今から北京ダックを食わんとするオレたちを見ているのだ。やりづれー。
シェッフが登場し切る。ダックを。
うまくないわけがない。
この旅一番の感動は北京ダックに捧ごう。
いかがだったろうか。ちょっと出発前の予想を遥かに上回る飯のうまさ。
それはいいとこに連れてきてもらってるに他ならないんだけども。
話によると、中国の人は「マフィアのボス」のように扱われることにロマンを感じる傾向があるんだとか。なのでわかりやすく豪華絢爛で、仰々しく出迎え見送りされるのが好きなんだって。
なるほどって感じだよね。
中医薬大学の学食事情
3日に渡る研修の最中は「学食でのランチ」と聞いていたのでこれまたどんなもんかなと思ってた。
やはり円卓スタイルで、たくさんの野菜を摂れる。学食だからなのか、量がめっちゃ多い。あと写真にはないけど、肉まんの「まん」の部分だけのやつがやたら出てくる。
エビチリの「チリ」につけたい!と願っていたが、3日のうちにエビチリが登場することはなかった。
そしてメニュー表を見ていると、学食という割には高いし学生もあんまいなかった。
聞くと、学生には少し高いのでだいたいの学生は近隣にある庶民的なところで食べるそう。
病院に来る患者や医師が使うことが多いんだとか。
奥に見える大きなビルが大学病院。目の前にある下町ストリート。
日本人とみるや、出前一丁風な乾麺を店主に猛プッシュされた。いやいらねえ。
怖くて食えないけど、屋台もたくさん。
~100円くらいで飯食える雰囲気だった。
だいたいの人はこういう集合住宅か社宅に暮らしている。一軒家ってほぼ見なかったなあ。
エステサロンらしいエミリー。うーん。うさんくさい。
ともかく、学生はこのあたりで生活しているのだ。
部活みたいなことも大学でやってるらしい。
寮もあった。
向こうでは結構街のそこかしこに「鍼灸道具店」や「漢方店」があった。大学の近くはなおさら。
あまり日本ではみたことないものも多く、面白かった。
そして大学の前の道で…
・・・!?
なんか髪切ってるんですけど!道で!!
聞くところによると、休みのおじさんが小遣い稼ぎにその辺で髪を切ってるそうで、昔からの文化なんだとか。(もちろんオシャレな美容室とかも街にある)
なんと料金は5元。QBハウスもびっくりな85円カットである。
しかしみんなベテランだからうまいよ!と張先生が言うので…
切ってみた。
この不安感は、やった人にしかわからないだろうな。
岡部さんもカット。オレはかけられなかった謎の水をスプレーされて悶えていた。
たしかに、なかなかの仕上がり…。週2で切っても月680円…。
なにこれ…。
この後の午後の授業は首元が超かゆかった。
中国のホテル事情
今回の宿は天津ではシェラトンホテル。
歴史あるとてもいいホテルだった。
朝食会場のレストランも素敵で。
北京での宿はホテルニューオータニ。日本語が通じるというありがたいホテル。
超綺麗。しかしここで事件が起こった。
なんと、部屋のトイレと風呂がスッケスケなのだ!!
ここにきて、3日目の鹿のアレの薬酒が大変なことに!?
なるわけもなく。僕も勢力先生も無事に朝を迎えた。
ニューオータニの朝食ビュッフェ会場もこれまたすごいのだが・・・
場所は変われど、変わらないものがある。
それは、新屋の朝食だ。
初日
2日目、3日目。ここまでシェラトン。
4日目。ニューオータニ。
ほぼ変わらぬ安心のラインナップでお届け。
これは日本のホテルであっても変わらない。
メインはソーセージなのだ。
中国のファーストフード事情
中国広しと言えど結構チェーンは同じ感じ。
「カンフー」という中華料理ファーストフードもよく見かけた。
ケンタッキーもよくあった。
スタバも。
マックも。
「グリルチキンバーガー」という見た事ないバーガーを発注。味は普通。
共通するのは、値段は日本円とほぼ同じ。つまり現地の人にとってはちょっと高い。
学生なんかはあまり行かないそうだ。
最終日の昼に訪れた北京の人気飲茶店「金鼎軒」。こちらは24時間営業。繁忙時間は整理券配るとか。張先生いわく「軽く飲茶でも」とのこと。
1人あたり1000~2000円くらいでいけるとのことだが、正直今回の旅行で1番日本人の口に合っている気がした。すげーうまい。
マンゴー好きじゃないけどこのマンゴープリンは超うまかった。
持ち帰りも可。
ここは旅行者ならおすすめ。
あと、病院でも見たけどご飯屋さんなどでも結構見かけたこの垂れ幕。
これなに?と聞いたら中国版感謝状みたいなものらしく、良くなった患者が先生に向けて贈ったり、良いサービスを受けた客が贈ったり、業績優良店に本部が表彰の意味合いで贈ったりするそうだ。
言わば口コミのようなものかと。
いい文化だなあ。と。
中国の飲み屋事情
「北京の街を味わいたい」とガイドさんと張先生に聞くと、口をそろえて「三里屯へいけ」と言われたので向かった三里屯。
わかりやすいネオン街。客引きがものすごいアグレッシブ。
あんまりにもアグレッシブなので、ちょっと入るのためらう。
一旦仕切り直して、観念して入ろうと意を決して客引きに価格の確認。
4回くらい念入りに確認し、ぼったくられる覚悟で飛び込んだ。
結果、チャージすら取られず酒代のみというめちゃくちゃ良心的な店だったので会計の時に逆に申し訳ない結果に。笑
疑ってごめんな。
はしゃぐおじさん達。海外は気分を開放的にさせる。
観光事情
今回はあまり観光の時間はなく、天津で唯一訪れたのは「天津古文化村」古い街並みが再現され、全部だいたい土産屋。すごい広い街。
鼻につく写真もしっかり撮った。
そして最終日の自由時間。直前に誰かが「万里の長城に行きたい」とか言い出し、ガイドさんが強行スケジュールでの少人数ツアーを催行してくれると。(みんなが行きたいわけではないため)
寝不足続きでヘロヘロの最終日。6時に起きて出発!片道90分。
道中ガイドさんが万里の長城の歴史などを語ってくれた。
全長7000kmに渡るそうな。すげー。
ついた。
雄大。実は小学生くらいのころ来たことあるんだけど、その時とは違うところだった。
滞在時間は60分あるとのこと。どこまでいけるかな?とガイドに聞くと…
いや無理じゃね?
とりあえず進む。
時には手を使うほどの傾斜。
段差の高さがそれぞれ全然違って歩きづらい。
現地のおっさんが外壁の上を歩く。デンジャラス。
そして無事目的地到達。
はしゃぐおじさん達。
これぞ中国!!!という壮大さに圧倒された。
おなじみ「ジャンピング院長」もバッチリ。
商売の神様としても知られる武将関羽の神社?もあった。
5角と5円を。
家族、スタッフ、患者様の健康と幸せをしっかり祈願してきました。
まとめ
結局今回アテンドしてくれた張先生が素晴らしかった。
これに尽きる。
以前もこのツアーに参加した方の中で個人でも来たことがある方は
「まったく別の国のようにすら思える」と言っていたほどだ。同じ天津に来たのにである。ひとつの不満も不安もなく、全て安心して過ごせた5日間。
会う中国人も全員知的で上品で口調もおだやか。
出発前に抱いていたチャイナイメージが恥ずかしくなるほどだ。
大量にスーツケースに詰め込んできた水も、ほぼ飲まずに持ち帰ってきた。
こういう旅はなかなかできない。
改めて、この場を借りてお礼を。張先生ありがとうございました。